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(光滲・始)・中学のときの写真(たぶん)が見つかってそれに何故か浜田が写ってるんだけど浜田の姿はかろうじて彼と判るか判らないかと言ったところ、どうも外で撮ったもののようだけど何故だか強い光があたっているかのように輪郭線がぼんやりと白く、全体的にぐにゃぐにゃしていてはっきり言ってあんまりよくない写真で、心霊写真とはいかないまでも恐らく感光のときにきっとハレーションを起こしたんだろう。 ・そういう写真はいきなり数学のノートの最終ページからぺらっと知らん顔で出て来たりする。 ・そして俺はそういうものは捨てられずにまたその同じノートの最終ページに挟んでそのノートごとまた出てきて日の目を見るその日のために置いておいたりしがちだ。俺はでも今、その写真をまじまじと見つめた。俺はこの写真でオナニーできるだろうか、と考えて、あまりにあほらしくてちょっと一人でははって乾いた感じに笑ってみる。あまりに抽象的すぎて芸術だな、いや写真っていうか、オナニーがね。 ・俺は中学のときからたびたび浜田に欲情していた。 ・もちろん今もだ。 「この前なんか部屋整理してたらお前の写真でてきたよ」 「は?なんで?」 「知らね」 「え、何それどんな写真?」 「教えてやんねー」 「は?なんでだよ」 「いや、意味は無いけど」 「じゃあ見せろよ」 「俺それで一回オナニーしたよ」 「はァ!?おっま…最悪だな」 「何でだよ」 「いや死ねよ」 「だって浜田が俺より年下のときなんだって」 「……」 ・俺は浜田の頭を引き寄せるように抱きかかえるように力をくわえてそしてひたいの髪をもちあげて口接けた。髪をあげると途端に幼い感じになってちょっとほっとする。既に一年間をこの学校で過ごした浜田は人の来ない場所を知ってて俺がしたいって言うと屋上に続く階段の暗いおどり場とか理科室の隣のあんまり使われないトイレとか鍵のかかってないボイラー室とか小体育館の隅の倉庫とか放課後の家庭科室とかに連れてってくれる。何でそういう場所を知ってるかについては不問。まあ浜田も一年のあいだに色々あったんだろう、ということにしておく。 ・浜田は可愛いしアホだし中学生と高校生っていったらもう全然、全っ然違うので俺は中学のときつらくてつらくて諦めようかと思ったけど、一年間我慢した結果アホが幸いして浜田は俺と都合良くタメになってしまったので俺はそれを逃がさなかった。逃さなかった。今の状態は、それだけだ。これは浜田の気持ちがどうこうっていうのじゃないと何となく思ってるし、それは多分外れていない。 ・不安でないと言ったら嘘だ。 ・浜田が教えてくれる場所はいつも、学校が建てられてからほとんど陽の光の当たっていないような場所ばかりだ。浜田の表情はあまり見えない。浜田にも俺の表情はたぶんあんまり見えていない。 ・あれから制服のボトムの後ろポケットにあの写真を入れている。光にまみれてぐちゃぐちゃになっている浜田の写真を、入れている。キスしながら不安なときなどは、それを片手でポケットの中で握りしめる。暗いおどり場で、男子トイレで、片手の掌の内だけはそれでも一年前の光で融けそうになっている。浜田、と小さな声で呼ぶ。 (光滲・終) '050829 - '050829 衍田トカ 泉がこういうガン攻めに見えてるっていう話なんですけど。あとハレーションていいなあとか思いながら書きました。 |